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河川生態系連続講演会「流域生態系を育む河川ネットワーク」第1回講演を聴講して(1) |
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10月11日(火)、17時より、河川生態系連続講演会第1回目、「川は生態系間の関係を育む」が、東京海洋大学楽水会館大ホールで開催されました。講師は京都大学防災研究所の竹門康弘さんでした。盛りだくさんな内容をここですべて書くことはできませんが、特に私の印象に残った所を中心に、感想も交えながらご紹介します。 |
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講演は、大きく第1部と第2部に分かれていました。第1部で竹門さんは、大学院の講義用の詳細な資料を使って、河川生態系について概説されました。河川の各空間スケール(河川の地形、川の中の瀬や淵の構造、浮き石・沈み石・砂などの底質についてなど)や、地下水になったり表層水になったりして流れる川の水についてのお話の後、河川生物群集、特に川の底に棲むベントス(底生生物)についてのお話がありました。河川のベントスは、食べ物や食べ方によって、生態学的な役割の異なるいくつかのグループに分けられ、棲む場所もそれぞれ異なります。例えば落ち葉やその大きな破片をかみ切って食べる「shredder(破砕食者)」と呼ばれるグループは、近くに水辺林のある落葉の豊富な川の中に生息していますが、落葉などが分解された細かい有機物の粒子(fine particle organic matter、 略してFPOM)がたくさん流れているような場所では、これを集めて食べる「collector-gatherer(収集食者)」や水中を流れる粒子を濾過して食べる「filter-feeder(濾過食者)」と呼ばれるグループが多くなります。また、水辺林が川の上にかぶさって暗くなっているような場所では、上記のshredderたちは生息できますが、石の上に生える微小藻類(顕微鏡で見なければ見えない小さな藻類。珪藻など)は木に光をさえぎられて十分生育することができず、従って微小藻類を食べる「grazer(はぎ採り者)」も棲むことはできません。 |
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それから、河川での物質循環についての説明になりました。光合成をする植物などが二酸化炭素を材料に有機物を作り出し、網の目のように広がった食物連鎖の果てに、再び植物が利用可能な物質が生成される、その過程を物質循環と呼び、生態系を理解する上で重要な事柄の1つです。物質循環について調べるためには、どこでどんな生物が有機物を作り出し、その有機物をどこでどんな生物が消費するか、調べなくてはなりません(考え方としては経済に似ています)。川の場合は、水が上流から下流へ流れるために、有機物の生産と消費という面からも、上流から下流まで繋がっている、特に上流の水辺林から供給される落葉が川の有機物の元となっていて、下流の生物が栄養源とするPOM(粒子状有機物)も結局は落葉の分解産物である、という「河川連続体仮説」が、長いこと支持されてきました。しかしかならずしもこの仮説に即していない研究結果が出てきている、と竹門さんはおっしゃったので、私は思わず「おっ?」と身を乗り出しました。この部分については、第2部の後半にも出てきます。 |