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河川生態系連続講演会「流域生態系を育む河川ネットワーク」第2回講演を聴講して(2) |
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安定同位体比は、前回の竹門さんの講演でも登場しましたが、物質循環を分析する上で強い武器となる手法です。岩田さんの言葉をお借りすれば「魚を捕ってきて粉にして測定機器に放り込めば」炭素の安定同位体C12とC13の存在比、窒素の安定同位体N14とN15の存在比が分かるのだそうです。それぞれを横軸と縦軸に取ると、どのような食物を食べていたか、また分析した生物が食物連鎖の中でどの段階にいるか、ということが分かります(右図)。 |
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安定同位体比の解析によって分かることの一つは、多くの地域生態系は外部からの資源の補給に頼っている場合が多い、ということです。例えばバハ・カリフォルニアでは、海は魚が多く豊かですが、島の多くは陸上部が砂漠です。にも関わらず、特に海鳥のいる島では、陸上にも多くの生物が生息しています。こうした島で陸上動物の安定同位体比を解析すると、海由来の炭素を体内に多く持っていることが分かりました。バハ・カリフォルニアの島では、鳥が海から運ぶ物質で陸上生態系が維持されているのです。このように、生態系間での物質の移動が、自然界で大きな役割を果たしていることが分かってきました。 | |
![]() 川を遡上するサケ (写真提供:多留聖典) |
生態系間の物質の移動には、こんな例もあります。サケの仲間は海から川へ遡上することがよく知られています。サケによって海起源の炭素や窒素が川の上流までもたらされるわけですが、それだけでなく、クマや猛禽などによりサケが陸上まで運ばれます。そのためサケの上る川岸では、海起源の窒素の影響で河畔林の成長が良いことが知られています。岸辺の樹木の成長が良いと、川の中に落ちるリターや大枝、倒木の量も増えます。こうした枝などの構造物は、川の中でサケ科魚類の稚魚の生息場所になり、リターを食べて育つ水生昆虫は稚魚の食物となります。つまりサケに育てられた森の木がサケを育てる、という関係になっているのです。 |
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