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河川生態系連続講演会「流域生態系を育む河川ネットワーク」第3回講演を聴講して(1) |
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2005年12月14日(水)17時より、河川生態系連続講演会第3回目、「水辺林の構造、更新、共存機構 〜河川撹乱と生活史の視点から〜」が、東京海洋大学楽水会館大ホールで開催されました。講師は埼玉県農林総合研究センター森林研究所の崎尾均さんです。私は植物については門外漢ですので、最初からどんなお話なのかとても楽しみにしていました。期待に違わぬ興味深い内容を、上手くご紹介できれば良いのですが。 崎尾さんは水辺林(渓畔林や河畔林)の管理方法について研究をしておられ、特に荒川中流から上流にかけてがフィールドです。今回は水辺林についての基礎的なお話をして下さる予定だったのですが、参加者に環境アセスメント会社の方も多いことから、前半で基礎的な話、後半で水辺林の再生・復元・修復についてもお話いただくことになりました。 |
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第一回目の講演会で竹門さんも少し触れられましたが、水辺林とは、河川・湿地・湖沼など水辺に分布する林の総称です。中でも河川上流域(扇状地より上)の林を渓畔林、扇状地に網状に川が流れるような所に発達する林を河畔林と呼びます。地域により、また地形により、それぞれ樹種も林の風景も異なります。 どんな場所かイメージを喚起するために、崎尾さんは色々な渓畔林や河畔林の写真を見せて下さいました。なるほど一口に水辺林と言っても、実にさまざまな林があります。たとえば北海道歴舟川の河畔林は、ほとんどケショウヤナギから成る林で、砂礫の川岸をふんわりと覆う柔らかな浅緑は、私の持っていた河畔林のイメージにぴったりでした。一方、岩手県の早池峰には、各種の落葉広葉樹にヒバも混じった渓畔林があり、ヤナギ類の水辺林を見慣れた私には珍しい風景に映りました。 日本列島は南北に長く、地質も変化に富んでいますから、地域によって水辺林の樹種も全く異なります。宮崎県の霧島では、温暖な上に火山性土壌で雨水がすぐ地中に浸透するという特徴があり、常緑のカシであるイチイガシを主体とする水辺林があります。さらに広義には、亜熱帯や熱帯河口域に広がるマングローブ林も水辺林に入ります。また水辺林には、レッドデータブックに載るような希少な草本も生育することが多く、たとえば四国のある川では、水辺林の下生えにシランなどが混じっているのだそうです。 |
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河川上流域では渓流の畔から斜面の上までずっと木が生えていますが、その中でも渓流から山腹斜面へ推移していく移行帯を渓流域と呼び、ここに渓畔林が形成されます。渓流域とは、川によって地形などに影響が出る所であり、またここに生えた林がリター(落葉・落枝・落花)の供給により川に直接影響を及ぼします。 渓畔林に川が及ぼす影響の1つは、さまざまな程度・頻度の攪乱です。倒木などは比較的頻繁に起こります。また林内掃流(渓畔林が完全に水に浸かること)や、あまり規模の大きくない土石流は10年単位くらいで起きます。一方、大規模な山腹崩壊や洪水による段丘形成などは、100年単位で起きる攪乱です。渓畔林では攪乱以外にも、湿潤な所から乾燥した所までという具合に水分環境も多様ですし、土壌環境も礫・砂・土など底質の違いがある他、リターの量の多少もあって多様です。さらに光環境も、開けた場所に面していたり鬱閉していたり、倒木による大小のギャップがあるため多様です。これら攪乱の程度・水分環境・土壌環境・光環境それぞれの変化が組み合わさることにより、渓畔林の環境は斜面林と比較してとても多様で複雑なモザイク状になっています。 |
![]() 河岸の崩壊 (写真提供:多留聖典) |